初夏

顔見世でおおいに寝てしまうの記

 ここのところ、お芝居や歌舞伎、なーーーんにもみていません。そんな余裕もないほどのバタバタぶりでした。
 いや、いけません。人間、好きなものまで失っちゃ。
 ってことで、行かせていただきました、京都南座、顔見世へ。

 でも、やっぱり疲れがたまってたんですかね、京都まで電車の中で大爆睡。ぼーっとした頭で降りたもんだから、ウエストにワン・マークで付けていたスカートとおそろいのベルトを落としたことも気づきません。しかも、タクシーの中で、お気に入りのペイズリーのブローチ、しっかり留めたはずなのに、降りる時には胸に見あたらず。きっとベルト同様、電車を降りるまでにはすでになくしていたのかも。
 人間、しめつけていたものから解放されると、楽だもんで、ついその変化に気づくのが遅いようです。
 今日の損失、大。
 アクセサリーって、持ち主に大事にされてない、ってわかったら、こうやってみずからほろりほろりと離れていくんですかね。今まで、落としたイヤリング(痛がりの私はピアスの穴を開けられないもんで)、腕時計、ベルト、数知れず。とほほ、私が高価なものをつけられない理由がこれです。
 なんせいつもバタバタ、ガサガサ、してますからねえ。

 そんな犠牲を払っての(?)顔見世でしたが、いかん、これが、眠い、眠い・・・。
 歌舞伎を見始めた頃は、よくわからないもんだからついつい眠ってしまってもったいないことをしたものですが、年期が入った最近では珍しい船こぎ。
 昼の部だったのですが、しょっぱな、ちっとも華やかじゃない演目、一人の女形の出てこない幕末もので、きっとコマ劇場で松平健がやった方がもっとおもしろいのでは、というようなだしものだったのがいけませんでしたか。
 勧進帳も、幸四郎を京都で見られるのは新鮮だったけど、なんだか唯我独尊って感じがしたし。
 ようやく義経千本桜のいがみの権太で泣かされて、ああ歌舞伎を見た、って気がしましたわ。
 あんまりがむしゃらに仕事しすぎて、まだもとの道楽者にもどれないみたい。これから少しずつ、復帰していきますぅ。
by 玉岡かおる  at 20:34 |  日記 |   |   |  page top ↑
プロフィール

玉岡かおる

Author:玉岡かおる
兵庫県三木市生まれ。神戸女学院大学卒業。1989年、神戸文学賞受賞作の『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で新潮社より文壇デビュー。2007年11月「お家さん」刊行

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