2015年11月29日 12:05
『天平の女帝 孝謙称徳』(新潮社)、いよいよ全国の書店で一斉発売です。
http://www.shinchosha.co.jp/book/373715/

本当に美しく、格調の高い装幀。
大御所、水口理恵子さんに書き下ろしていただいた表紙絵、どうですっ。
そもそも女性の天皇の肖像画というものがなく、男性天皇でこれなんだからきっと女性天皇はこう、とめいっぱい想像力をふくらませ、お願いしました。
すばらしい出来です。
本体には正倉院文様もほどこされて。

本を綴じる背表紙だってこの色柄。(下の写真)
栞の紐も、表紙に合わせた浅黄色。
すみずみまで、美意識がゆきわたっています。
なんて重厚。
そして、なんて気品のある本でしょう。
(装丁は私の領域じゃなく、装丁家の先生の作品なので、とことん褒めさせてもらいますよ)

そう、これぞ真の"本"の醍醐味。
世界に冠たる日本の製本業の技が凝縮、すみずみまで格調高く美しい。
電子書籍が逆立ちしたって届かない贅沢な世界です。(私も何冊か出してるけどね^ ^;)
いくら便利でも経済的でも、省いたりしちゃいけない読書人の魂がここにあります。
子供の頃、母の書棚から盗み読みした吉屋信子や有吉佐和子の本のように、ここではない、どこか遠い世界へ入っていける予感が漂うとびら。
歴史好きは言うまでもなく、かつての私のような夢みがちな少女たち、今も少女の心を残した読者たちと、このとびらの内側へ、無限の時空へ、いざ。