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教育委員、がんばります②

2013年01月11日 12:46

 またしても、体罰がこどもを自殺に追いやった、やりきれない事件が大阪で起きました。
 尊い命と無限の未来が失われたこと、重く受け止め、県内の高校でも実態把握をスピーディに行っています。
 スポーツ科を置く学校の部活内での事件という特殊性はあるにせよ、どこの部活でも起きうるかもしれないとの前提に立って乗り出さないといけません。
 事件発生翌日に出演した「News Biz」でもコメントしましたが、学校は密室ではないはずなのに、一番怖いのはみんなが現状に慣れて感性が鈍り、おかしいとかいきすぎだとか、普通に感じる第三者としてのチェック機能が働かなくなること。たえず謙虚な反省に立ち、教育現場には常に新鮮な風を吹かすことが大切ですね。

 そんな緊迫した中(いつも教育は緊迫しています)、きょうは移動教育委員会。

 本庁で会議ばかりやってないで、県立高校をお訪ねして学校現場を拝見します。(教育委員は現場を見ていない、なんて言わせませんよ、兵庫県は。)
そして定例会議は県立「人と自然の博物館」で。
まるまる一日の拘束はキツいですが、こういうことでもないと今の高校を参観することなんてありませんし、万難を配しての予定繰り。(教育委員になって一番大変なのが、実はこれ。)

さて、お訪ねしたのは県立阪神昆陽高等学校・県立阪神昆陽特別支援学校。
ここは多部制単位制高校と特別支援学校とが同じ敷地内にあり、ともに助け合って学ぶということをめざした、実に特徴的な学校です。

さまざまな生活事情を抱える生徒たちに対応し、一日の時間割は、朝のふつうの時間に始まる一部と、午後始まりの二部、そして夜に始まる三部という三部構成。
 しかも学期は前期・後期の二学期制ですから、他の普通高校に入ったものの適応できずに一学期でドロップアウトした生徒を10月、後期から受け入れることができるというもの。
多様化する生徒の事情に合わせ、こういうこまやかな受け皿があるのはいかにも現代的対応というべきですか。

入学時にはゴミをゴミ箱に捨てるという習慣すら持たないこどもたちを、一つ一つ学習させていくのですから、今、廊下も教室も、すみずみまで掃除がゆき届いてきれいな現状にみちびくまでには、そりゃ現場の先生方もたいへんでしたでしょう。

そして特別支援学校でも、職業につく、という大前提での指導がなされています。みんなでお掃除中かと思いきや、ビルメンテナンスの職業訓練授業だった、とは驚きでした。

なにより特徴的なのは「ノーマリゼーション」という授業。世の中にはさまざまな障がいがあるのを知り、お互いを尊重しつつ一般的な共生ができるよう願う授業で、ここだけのオリジナルというのは、併設の利点ですね。

 参観の後、お弁当をいただき(もちろんちゃんと600円を各自自腹で払っています)、校長先生からいろいろお話をうかがいましたが、感じたことは、こんなにがんばっていることを、もっと発信してほしいということ。
 学校案内のトップページに、どこも同じな鉄筋の校舎の写真を飾るより、ほかとは違うこんな学校ですという中身を発信してほしい。ハコではなく先生方の熱い思いと人の力で勝負。これですよ。
 途中入学、ノーマリゼーション、3部制、高卒までを徹底指導、そして特別支援生の卒業後の完全就業……特徴的なキーワードが入っていれば、そうした悩みを抱えてさまよう家庭には、ネットで検索する時ですら、大いなる福音になるかもしれません。
 そんな要望を伝え、正門を後にしました。
現場を訪ねた収穫はほかにも無数ですけれど、まずはここまで。以下、委員の視線は、また続く。



日経新聞「とかくこの世は」の12月26日掲載分
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