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女優デビューは雨の夜

2012年03月23日 16:25

 20年ほど前、初めて舞台の芸術監督というのをやり、原作から脚本を書いて『戦国播磨異聞・ランナウエイ』という作品を作りました。
 が。
 今回は、なんと、出演者としてのオファーですよ。どーする?

 大阪府立男女共同参画の青少年センター(ドーンセンター)の大舞台。
 ほんまかいな??? でしょう?

 今回で17回となる女性芸術劇場の上演作品「光をあつめて」の中でのゲスト出演です。
 大阪がいちばん輝いた時代に女性ながらすばらしい写真芸術を残した山沢栄子を顕彰する作品で、私は、彼女の写真スタジオを訪れる女流作家の役。
 日替わりで、ほかに3人の方々も登場です。私はその初日。

 そもそもなんでこんな企画? とお思いでしょうが、このドーンセンターの青少年女性事業、橋下徹氏が府知事時代にカットされてしまって、苦境の中でなんとか存続しようとがんばってるんです。おせっかい玉岡かおる、せめて協力できることがあるなら、とお引き受けした次第。

 とはいえ、衣装もメイクも自前、演出はナシ。えーー、どうやればいいのぉ?
 悩むところですが、そこは何でも遊んでしまうわたくし玉岡かおる、とことん楽しませていただくことに。
 時代考証上、大正時代の女流作家というなら、林芙美子とか、そういうプロレタリア系をイメージするところですが、私のイメージとはあまりにかけはなれているので、それは御免させていただき、海外作家を採用することにしました。はい、マルグリット・デュラスとか、サガンとか、マーガレット・ミッチェルとか。

 ふだんから、こんなのいつ着るの? と自分にツッコミを入れるのだけれど、お洋服が大好きで、いっぱい、なんやかや持ってるのが幸いし、出番が出ました、あれもこれも。
 まっすぐ立った羽つきのサテンの帽子、ショートボブのウイッグ、ミンクのトリミングがついたクラシックなドレスコートにタッセルつきの同色のパンプス。どうよっ。演技力がない分、衣装でキマリ。
 でも、まだ、なんか足りない……。
 ゴージャスな作家には、小道具でかわいいわんこもいるのでは?

 そこでミニチュアダックスのレディも連れて行くことに。
 舞台に動物を上げるなんて役者さんたちへの冒涜? とも思ったのですが、能や歌舞伎ではないわけだし、演出上、効果ありならいいでしょう。
 はい、もちろん大ウケでした。ありがとうございます。
 で、私のほうは?
 うーん、どうだったんでしょう。私が知りたい。
 ともかくも、犬はウケても、私は反省ザルで、雨の中を来てくださったお客様に感謝です。
 



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