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柳宗悦展で見てきたこと

2012年02月28日 14:29

 大阪城ちかくにある大阪歴史博物館で開催中の『柳宗悦展』に行ってきました。

 以前、東洋陶磁器博物館で、朝鮮の美にふれ、李朝の民芸を守った浅川兄弟のことはお話したと思いますが、日本の民芸運動で知られる柳宗悦は、この浅川兄弟と親しく、何度も朝鮮に渡って、うつくしい朝鮮の民芸をみつけては自費で購入、保存につとめてきた人です。
 当時の王宮だった景福宮(キョンボックン)の敷地内に、朝鮮でも初めてとなる朝鮮民芸を収集した博物館を設立したことも、すごい。あんな時代に、よくぞ、と思いますが、政治やさまざまな世相の事情にも流されない、絶対値としての価値観を持っていた人だからこそでしょう。
 中でも、日本領有時代に取り壊されそうになった光化門の保存と修復に力を注いだことは、あまりにも知られていない事実ではないでしょうか。韓国の人にも日本の人にも。
 かく言う私も、何も知らずに工事中の光化門の前をタクシーで行ったり来たりしてました。
 美とは、わかる人、守る人がいてこそ時間を越えた歴史遺産として現代へ命つなげるものなのですね。

 自分がまだ生まれてもいなかった時代のできごと。けっして恩を売るつもりではないですが、一方的に非難される日帝時代、すべての日本人が悪だったのではなく、十人十色、こういう人達もいたことは、ぜひ、今後手を取り合って築く未来のために、おぼえとどめたい事実だなあという気がしました。
 



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