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児玉清さん、やすらかに

2011年05月21日 23:46

 今日は児玉清さんのご葬儀が東京で営まれました。惜しい方を亡くしました。残念です。
 不肖私と児玉さんとのご縁は『天涯の船』から。
 とてもおもしろかったと読後の感想をちょうだいし、子供の頃にモンテクリストを読んで以来の興奮だった、とまで言ってくださったのがきっかけです。身に余る喜びでした。
 それまでにもNHK「ブック・レビュー」で何度かご一緒させてもいただきましたし、公開録画で二度もスタジオを飛び出しての旅をご一緒させていただいたのはかけがえのない思い出です。
 もちろん書評を書いていただき、パブリシティ用のコメントもいただき、文庫版では解説までいただいて、まさに児玉さん尽くしで世に送り出したのが、『天涯の船』でした。幸せな作品です。
 打ち上げには、編集者ともども、お食事もご一緒させったことが今でも思い出です。
 以来、書評といえば児玉さん、というくらい、読書家のうえ、的を射た書評には誰もがうならされ、書評家としてお忙しくなられた児玉さん。あまりにその感想が的確なので、まず児玉さんの感想によってその作品のよしあしを占ったほどでした。
 私とのご縁で言えば、その後の作品『銀のみち一条』が連載完結した時にもふたたび。「婦人の友」の誌上で対談のお相手にご指名させていただくと、快くお受けいただきました。
 間近で見る児玉さんはほんとにすてきで、ああ雷太のイメージは児玉さんだったかも、なんて思ったほどに、ダンディで、知的で、ちょっとドキドキしてしまう存在でした。
 秀の遅い私は、今月はじめにやっと次の作品の原稿に目鼻がたち、この小説、児玉さんはどうおっしゃるだろうか、と楽しみにしていたのに……。
 もう読んではいただけなくなりました。
 皆さんのおかげさまで『銀のみち一条』の文庫化が決まっているのですが、いったいどなたに解説をお願いしましょうか。
 残念です。ほんとに、どうじてもう少し早く書き上げなかったか、そのことばかり悔やまれます。
 きっとみんなが同じ思いでしょう。他に代わりがないくらいすてきな方でした。
心より、ご冥福をお祈りしています。
 
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