この一週間

2011年03月31日 21:37

再開したとはいえ、アンカー、しばらくは開始時間が変則的です。午後3時からの放送なので、ご覧いただきにくいかもしれませんが、どうぞご了解のほど。
 番組では村西キャスターが東北へ取材に入り、じかに現地の様子を伝えてくれました。漁業の町として知られる岩手県北部の久慈市、野田村からです。
 目の前で自分の船が流されていくのをカメラの動画で映すしかなかった漁師さんにあらためて電話でお話を聞かせていただいたのですが、これからは、との質問には、ただ「さあ、これから、どうしたらいいんでしょうね……」と声を詰まらせ、後は涙で絶句なさるご様子に、お掛けする言葉もありませんでした。
 被災された漁師の方々に船や網を支援として贈る、あるいは農家に農機具や海水を排除する土地改良のための支援をする、ということは、私有地や特定の個人財産を支援するということになりいろいろ制約があるのかもしれませんが、漁業には漁業、農業には農業の、産業支援がないと、日本の産業そのものが細ってしまうのではと危惧を抱きます。第一次産業にたずさわる皆様の生活が立ちゆき、産業そのものが盛り返すために、どうかいい形で支援がなされていくことを願うばかりです。

 また、日経新聞の「余も世もばなし」も再開しました。とはいえ、こんな時期ですからいつもと違った筆致になりました。読者のみなさま、驚かれるのではと内心心配していたのですが、うれしい反響をちょうだいし、無力な私自身への励みになりました。ペンの力への責任をあらためて感じさせられています。がんばらなくては。

 そんな中、予定されていた数々の公演も、いま開催すべきかと悩みながら、華美を慎んで平常どおり決行、という状況のようです。
 客側としても、こんな時にどうか、とも悩むのですが、私も松竹座のお芝居やら、観世流能楽師シテ方片山九郎衛門襲名披露やら、予定していたチケットを無駄にせず出かけることにいたしました。せめて関西が平常どおりに生活することが国全体の活気につながると思い、ひきこもりを脱しているわけです。
 4月2日(土)には、観世会館で「四季彩能」も予定どおり開催されます。
 室町時代以来、五百年の歴史の中でいくたびも戦災に遭いながら現在に引き継がれてきた我が国の芸能。きっと今のこの艱難も越えていけると、歴史が証明してくれそうに思えます。
 不肖わたくし玉岡が前座でレクチャーを乞いますので、初心者の方もぜひ一度。

四季彩能