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灼けた鉄、走る鉄

2009年07月08日 19:43

 今日は姫路市にある「新日本製鐵 広畑製鐵所」--通称・新日鐵広畑 を見学させてもらってきました。
 新日鐵広畑といえば、地元播磨では知らない人のない世界的大企業。私も、以前、船を楽しんでいた時、家島から帰る海の上からその堂々たる威容を何度も目にしておりました。でも、中に入るのはこれが初めて。製鉄所というものを見るのもこれが初めてです。
 
 見学用のヘルメット、軍手、防護眼鏡、上着の一式を貸していただき、熱延工場へお連れいただくのですが、「なにしろ暑いですよ」とのアドバイスにも、当初は想像もできかねる状態。
 でも実際、その熱さといったら。・・・なんたって、車のボディやパソコンなどの電気製品に用いられるような、薄い鉄板を作るというのがこの工場ですが、もととなる鉄は、10メートル×1メートルくらいの、板状に圧縮された鉄の延べ板(スラブというそうです)。
 これを、鉄は熱いうちに打て、のことわざどおり、1200度の熱を加えた鉄を、数十秒という時間のうちに打って、叩いて、鍛えて、延ばしていくのです。
 その薄さ、何ミリという単位。まるで紙です。それを、文字どおり、トイレットペーパーのように巻き取って、ロールにする、という作業。
 いやはや、人間の技術ってすごいもんです。

 焼かれて真っ赤に燃えている鉄が出てきた時は、数十メートルはなれた高いところから見学しているにもかかわらず、1200度、という熱を風圧と肌とで感じる瞬間でした。
 さらにこの鉄が、何度も何度も、走る! 走る!
 焼かれて、たたかれて、薄く延ばされていく工程が眼下一望の下でした。

 かつて、近代工業国への脱皮をこころざした日本は、鉄は米なり、鉄は国家なり、と口ずさんだものでした。重工業の基幹として、日本の現代史を担ってきた製鉄業。
 今、自動車や電気製品など、世界的な競争力を持つ日本の工業技術は、まさに、鉄とともに二人三脚で作り上げられてきたものだったわけですね。
 ふだんは私など、まったく縁のない製鉄所、それをかいま見せていただけて、この日はとてもとても有意義な体験でした。
 
 
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