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華麗! カルメンに酔う

2009年07月02日 09:15

 ゆうべは佐渡裕さんが芸術監督としてプロデュースしたオペラ「カルメン」を見に、兵庫県立芸術文化センターへ。
 ひさしぶりのオペラなので、観客としてもドレスアップして楽しみたいところです。ちょうどこのあいだハノイで作ったばかりのシルクのワンピをおろせる機会になるのがうれしい! でも午前中は新聞社の仕事があったので、あまり羽目を外すわけにもいかず、やはりどう装うかはオペラに出かける時の、心躍りながらも悩ましい問題なのでした。

 さてそのカルメン。
 いちばん知られているオペラであるのは、曲を口ずさむとだれもが「ああ、それね」と反応することでも裏付けられていますよね。私も実際、いちばんたくさん見ている演目です。それだけに、「今までにないカルメンを」との佐渡さんの意気込みもわかるというもの。
 だいたい、カルメンといえばとんでもない毒婦で、日本人からしてみればリアリティに欠ける女性。一般人の目から言うと、いくらワルでも、もう少し悩んだり揺れたりするでしょと、あまり共感ができないのがこれまで見てきたオペラでした。まあ芸術作品だからそういうものなのかな、と、歌や音楽だけの評価値で見ればよいのかと、中途半端に納得してきた私なのですが・・。
 ところがたしかに今回のカルメンは違う。

 人間であり一人の女が、ちゃんと見えてくる。同じ日本人である林美智子さんが演じるということもあってか、カルメンのあでやかさや存在感はそのままに、林さんのかわいい容貌が救いになって、従来のようなどんとこい型のオヤジ女ではない、一瞬の逡巡やあきらめ、そういった微妙な心の揺れがたしかに伝わってくる可憐なヒロインが、できあがっていました。
 こうでなくっちゃ、いくら海千山千の毒婦でも、かわいさや弱さがなければ次々と男をひきつけたりはできないはずですもんね。
 たくさんの人たちが出演するのも舞台に幅を持たせてました。佐渡さんが指導なさっている子供たち、市民の歌唱チームだそうで、晴れの舞台に出演できる光栄は、今後の練習活動にも励みになるでしょうし、何より、大きな財産でしょうね。

 終演後、楽屋に佐渡さんを訪ねさせていただくと、それはもう汗びっしょり、すべてやりきった感が漂って、笑顔にもその余韻が感じられました。お疲れ様。
 このあと、舞台は東京へ。きっと多くの人たちを感激させオペラってこんなにおもlしろいんだと伝えていってくれることでしょう。
 
 劇場を後にして、晩御飯はフレンチのイグレッグ・テアトルで、オリジナルのカルメンのコースでもう一度カルメン談義。
 ああ、まだ頭の中を、エスカミーリョのうたう景気のいいトレアドール、そしてカルメンの粘着質なハバネラが、とぎれることなく回って止まりまーせん。



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