2009年02月21日 10:43
立派な授賞式。たくさんの方々にお祝いに駆けつけていただき、苦節20年の玉岡かおる、こんなしあわせな日があるとは思いもしませんでした。本当にありがとうございました。
偽りなく、多くのみなさんに愛され、ささえられた作品です。なんたって、二巻組の大長編。こんな長くて高くて重い、ハードな本を、手に取り、読んで心うごかしてくださったくださった読者の皆様もすごい。ある意味、読者が私に与えてくださった本、ということですね。 この作品で賞をいただいたこと、本当にうれしく、満ち足りた思いです。
実は受賞の知らせが新聞に載ったあの日、(なぜかあの同じ日!)、介護中の義母の容態が急激に悪くなり、この一ヶ月は地を這う思いの毎日でした。 次作の構想どころか、一行も文章を書けない日々の中、恥ずかしながらいい年をして何度も泣きました。 それでも、五七五の言葉に思いを濾過している私がいました。
長い文章を書くだけの時間を与えられないから、という理由だけで書いた五七五、それらを俳句といえるのか川柳といえるのか私にはわかりませんが、ずいぶん貯まって一冊分にもなった今、言葉というものがなければ生きてこられなかった自分が見えるようです。、やはり私は書き続けるのみ、と思います。
おかげさまで今は義母の介護状況も落ち着きましたが、まだまだ先が見えない介護は、今後も作家としての私に、生きるという人間の業をテーマとしてつきつけてくるはずです。
先にこの日記で受賞のお礼を申し上げた時には、どんぞこにいて未来が見えず、決まり文句である「これからもがんばります」のご挨拶すら言えなかったのですが、今、あらためて、この賞をエネルギーにして、ひたすら書いていきます。どうぞこれからも、玉岡かおるについてきてくださいね。よろしくね。