2009年01月18日 09:55
その後、文字通り銀の馬車道コースをさかのぼり、生野の町へ。
峠からは、見渡す山の峰に残る雪の白さがまぶしい。先週降った雪が、まだ一面に残っているんです。
『銀のみち一条』では、連載時の冒頭シーンは生野の雪。ヒロイン咲耶子が同じコースを汽車で北上して生野の到着した時、雪でした。
でも、このシーンについて生野出身のお一人から、「先生、私が住んでいた時、一度も生野でこんな雪、降りませんよ」とご指摘があり、うーん違ったかなあ、読者に違うイメージ抱かせちゃうかなあ、なんて心配してましたが、どっこい、あの冒頭シーンと同じ風景が、実際、今目の前に広がっているじゃありませんか。
地球温暖化、百年前の時代を書く時には、気候にも風景にも違いを生んで、やっかいですね。
さて、講演は、当初150人の会場で予定していましたが、うれしいことに申し込み人数がオーバーし、会場変更、とのこと。で、変更後の会場のキャパは? 聞けば、なんと400人収容だって。
そんな、一気に倍とは。がらがらだったら寂しいじゃない、中間はないんか中間は、・・と思っていたら、生野のみなさん、すごいです。400人、入りましたわ。──ありがとうございました。こんなに盛況で、本当に、感激しました。
その後、但陽会館で出版記念パーティを開催していただきましたが、こちらも、なんと華やかな会だったことか。また路上に雪が残る道を、女性は着物姿で集まってくださり、華やかさもいっそう。
小説の舞台の地で、こんなにあたたかにお祝いしていただけるなんて、作者冥利に尽きますね。ありがとうございました。この感激、わすれないようにしなきゃ。
講演ダブルヘッダーの疲れも吹き飛ぶ生野の日。雪の残像とともに心に刻んで。