ありがとう、『お家さん』6刷り突入です

 ここでまたまたうれしいニュース!
 『お家さん』、また増刷が決定しました。
 これで6刷。
 ありがとうございます。皆様の応援のおかげです。
 
 この本をめぐる講演やサロンも続々決まっています。このサイトで確認して、ご都合が合えば玉岡節をじかに聞きにきてくださいね。
 それから、たくさんのお手紙、ご感想、メール、ありがとうございます。必ずお返事は出していきますので、お時間をくださいね。

 もっともっとこんな喜びを皆様と分かち合えますように。引き続き、応援をよろしくお願いします。ありがとうございました!

6年ぶり「トスカ」に震える

 今日は関電さんからのご招待で、大阪フェスティバルホールで久しぶりにオペラを見てきました。
 
 長らくご無沙汰だったのになぜ今オペラかというと、なんと、演目が「トスカ」だったから。
 六年ばかり前、オペラ初心者として舞台をあれこれ見始めた頃、ミーハー女王としては、まだたいして見てもいないというのに、やはり本場で見なくちゃと、なんとパリのオペラ座へドレスアップで進出したことがあるのです。その時見たのが「トスカ」。まあ思い出のオペラなわけです。

 むろん思い出は思い出でもずっこけの方で、すでにエッセーにも書きましたけど、ドレスアップからしてNG。パリの人々にはオペラはすでにカジュアルで、がんばって肌なんか出したドレス着てるのは日本人だけでした。
 おまけに、せっかくオペラの本山パリに乗り込んだのはいいけど、着いたその夜の観劇じゃあ、そりゃ時差ボケで船こぎまくりにもなりますわな。
 あらかじめDVDで予習していったにもかかわらず、せっかくのアリアを子守唄に、頭を右へ左へ、大揺れに揺らしての大爆睡。ストーリーも舞台もほとんどわからんままに終わってもた、というほろ苦い体験でした。

 それが、今回は日本人の歌い手による舞台で、日本語な字幕つき。ああ、こういう筋だったのかとようくわかりました。いえ、それどころか、歌姫トスカのアリアの美しいこと。思わず鳥肌。
 でももっと感動したのは、男のために人を殺してきたトスカの手を、男がなによりも尊いものとして大切そうに眺めさするところ。
 愛と悪意と男と女。日本の歌舞伎と甲乙つけがたい人間模様の複雑さに、天才プッチーニの醍醐味を見た晩でした。
 ああ、舞台ってすばらしい。

荒れる関西 死にものぐるいで羽田へ飛ぶの巻

 東京への移動では、いくたびとなくおてんとうさまに翻弄されてきた私。台風で新幹線が止まったのは二度や三度じゃありません。でも、今日はきわめつけでした。だって、この加古川で、すでに電車が来ないんだから。

 夜の間に降った雪で、窓から見えるのは一面の雪景色。うちの庭も真っ白です。
 今日に限って神戸空港から飛行機にしたのだけど、はてさて、飛ぶのかしら。昨日のニュースじゃ、東京では春一番が吹いて、都心も大荒れ、たくさんの便が欠航になってたし。

 不安は的中。まずタクシーが来ない!
 たのみこんでやっと来てもらったけど、いつもの道が凍結してる。がりがり、ずりずり、タイヤのたてるいやな音。
 加古川でこんなこと、まあ一年に一度、あるでしょうか、ないでしょうか。
 さらに、駅に着いてまたびっくり。電車は始発から動いてないんだって。姫路のむこうで、レールが凍結して、電車は止まってるらしい。
 ひゃ〜!! 誰か、なんとかしてえ。

 こんなところで止まるぐらいだから、雪深い琵琶湖沿岸なんか、きっと無理! 新幹線だって動かんでしょう。もちろん飛行機だって・・。
 腹をくくったところで80分遅れで電車の運行が再開。もう超満員の殺人列車です。こんなえらい目してまで行かなきゃならんか、死にそう〜。

 やっとたどりついた神戸では、なんと、こんな日に限って飛行機は飛び立っていました。地表の凍結なんか、空飛ぶヤツには影響ないもんね。
 運と天候に見放され積み残された私、次の便を待つこと2時間半。いや〜、朝が早くて睡眠不足だったのと、凍てつく駅で80ふんも待たされぎゅうぎゅう詰めの電車でおしくらまんじゅう戦ったのとで、体調くずさない方がふしぎ。
 
 さて、東京では、篤姫の輿入れルートを歩く、という雑誌の特集。でも、四月売りの五月号で、コートはぬいで春らしい薄着の服で、とはジョーダンきつすぎ。
 いやはや、毎日毎日こたつにほとんど食べられながらぬくぬく暮らしたナマクラ者には、きびしすぎるこの冬の寒さです。

ジュリーが逝った日

 ジュリー2
バレンタインデーの夜、15才になる老犬ジュリーが、とうとう、召されていきました。

 去年の秋頃から急に老け込んで、お顔の毛も白いものが多くなり、脚もよたよた、おぼつかなくなって、庭への出入り口の段が上がり降りできなくなっておりました。そのたび「よいっしょ」とおしりを持ち上げてあげていたのですが、年が明けてからは加速がついたようにおじいさん化がすすみ、気むずかしくわがままになってもおりました。もともとは人格者の、おとなしいワンちゃんだったんですが。
 寒いので一日こたつの中で寝てました。
ジュリー1
時折ムクっと起きては、ドアまでテボテボと歩いていき、外に出せ、中に入れろ、と、我々人間をアゴで使う独裁者ぶり。命令口調の「ワウ、ワウ、ワウ」は、ソフトバンクのCMのおとうさん犬よりもわかりやすくて、まあ人使いの荒いこと。
  老犬介護は根気と寛容なのだと教えられる毎日でしたが、とうとう、ごはんを食べなくなったのにはまいりました。

 食べないと、一気にやせていきますね。大好きだったウインナやちくわ、お肉など、人間様より贅沢なものをひたすら食べさせようとするのですが、それさえ首を横に振る気むずかしさ。
 見る見るやせ衰えていくのは、もう、いたましいほどでした。

 東京に行っている間は気になりつつも、オッパーがお世話をしてくれるので、まかせて出かけていきました。帰って来た時、まだ横になって寝ている姿を見てほっとしたものの、その衰弱ぶりには胸がつぶれそうでした。自分では寝返りがうてなくて、2時間おきぐらいに、ワオ、ワオ、って呼ぶんですよ。
 夜中でも、何回も起きて寝返りさせてやってるうちに、だんだん覚悟もできてきました。オッパーも、もうそんなに長くないだろうと言いだすし。

 ジュリー3
とうとうその夜から歩けなくなり、排泄には、かかえて庭に連れ出し、歩けない後ろ足を持ち上げてやって用を足させるのですが、自分でもつらいんでしょう、一気には排泄できません。
 それでも、ずっとこたつで、一緒にいて、寝返りを打たせてやっていたんですが、気がつくと、もう動かなくなっていて・・。

 つらかったです。
 長い時間かけてゆっくりと、心の準備をさせてくれたジュリーですが、それでも、ずっと今まで一緒だったから、この子がいなくなる場面はありえなくて。
 お出かけする時必ず門までついてきたジュリー。外から帰ってきたら、どんなに深く就寝していても律儀にしっぽを振って出迎えてくれたジュリー。空き屋になった犬小屋は、見るたに涙が出ます。でも、まだ捨てることはできません。

 かろうじてペット・ロスに陥らずにすんでいるのは、もう一頭、ミニチュアダックスがちょろちょろしてくれているのが大きいです。それに、以前、コリー犬のシシ丸やグレートピレニーズの冬彦と、もっとつらいお別れを体験してきたことも、少しは私たちを強くしてくれたのかもしれません。
 犬の一生は、人間よりも早く駆け抜けていくから、こんなお別れは避けられない宿命なんですよね。ジュリー、長い間ありがとう、そう言って送ってやらなくてはね。

BS11『大人の自由時間』にキモノで生出演するの巻

 このHPでも告知したので、皆様ごらんいただけましたかしら? BS11(イレブン)の『大人の自由時間』。
 壇ふみさんと、リバーフロント整備センターの竹村公太郎さんとの鼎談ですが、出演してみてわかったのは、この番組、生で3時間もある、ってこと。

 なんせ、私はキモノで出演するので、着付けのことで頭がいっぱい。だって、共演するのはキモノ姿がお美しい女優さんNO.1の壇ふみさん。これはがんばらないと一般人=私は恥かきまっせ。
 雨の中、この番組の着物スタイリストを努めてらっしゃる銀座4丁目「らくや」さんへ、事前に自前の着物を送って置いて、当日は身ひとつで駆け込み、あたふた、着付け。
 局に入っても、乱れはないか、着崩れはないか、そればっかり考えていたから、誰も私に台本など渡してもくれてないことに気が付かず。
 「お手洗いは大丈夫ですか? 3時間の長丁場ですからね」
 ADさんのこの一言で、
「えっ??? 3時間??? うっそ」
 しかも壇ふみさん、洋服だし。(それもパンツ姿だし。)

 いや〜、それにしても、長いわ、3時間。
 でも、ふだん地上波の番組では、限られた時間に思いをこめてコメントまとめなければならないけど、ここではまったり、たっぷり喋れるので、まあなんと楽しいこと。これがBSの強みなんでしょうね。楽しかった〜。
 壇ママ、こと壇ふみさんは賢いし、上品だし、刺激はいっぱい。地形をめぐる竹村さんとの話はエキサイトしたしね。
 こうなりゃ、また出る時も、やっぱりキモノ、キモノで駆け回ってるに違いありません。

劇団四季『ウエストサイド・ストーリー』で、COOL!

 またまた京都にやってきました。JR京都駅にある京都劇場で、ミュージカル『ウエストサイド・ストーリー』の初日を見に。言わずと知れた、ブロードウエイ・ミュージカルの不朽の名作、ついに来たる。

 いや、ほんと、日本人がこれを演じることができるなんて、夢のようですよね。舞台を見るたび、劇団四季って、すごいカンパニーやと思わずにはいられません。
 今や振り付けで大活躍の加藤敬二さん、まだまだ動きにキレがあり、健在ぶりがうれしくて、こちらまで元気が出ました。アントン役の阿久津さんは、今まで大役が多かっただけに、より素に近いこんな普通の若者役だと、かえって気恥ずかしく感じちゃいましたが、皆様の感想はいかに・・・?

 それにしても、’50年代に一世を風靡したこのミュージカル、現代アメリカの深層を実に巧みに表していたんですね。だって今、大統領予備選挙で、ヒラリー支持に回っているのは、このウエストサイド・ストーリーで描かれているヒスパニックと呼ばれる人々。彼らとヤンキー、そして黒人層、アジア層と、移民の集合で成る新大陸アメリカの人口構図は、すでにこの作品が問題提起とともに象徴していたわけです。
 
 っていうような視点で見ればなおいっそう楽しめるこの作品。早くも上演延長決定です。
 
 

京都・竹茂楼にて にほんのならい・By・フェリシモ

 今日はフェリシモしあわせの学校の一日セミナー「にほんのならい ことはじめ」。
 京都は朝から雨でしたが、がんばって着物でおでかけです。
 
 節分の日の京都は、いろいろおもしろいしきたりがあって、舞子さんも「お化け」と称してコスプレとか。
 日本の風俗って、ほんと、奥が深いですね。

 広間に能舞台のある竹茂楼では、京都の情趣に刺激されつつ、次々出されるきれいなお料理に舌鼓。
 そして、いよっ、待ってましたっ、能楽森田流笛方の斉藤敦さん、同じく能楽大倉流小鼓方の久田陽春子さんの演奏に聴き惚れるひととき。
 もちろん、能楽は、こんなはしたないかけ声も拍手も無用なんですけどね。
 歌舞伎にはキャリアのある私ですが、能楽は、うちの近所で毎年夏に開催されている加古川薪能ぐらい。有名なものはいくつか見たことがありますが、笛方、鼓方の演奏だけ聴く、というのは初めてのことです。
 でも、やはり体の中には日本人の血が眠るらしく、わけもわからず鳥肌立つ自分を知りました。能楽にアプローチするのに、日本人に生まれたことは無条件で有利なようです。

 さて、笛も鼓も、かつてその音色をめぐって神わざをきわめるごとき職人たちが魂をこめて琢磨したもの。でも今ではその職人がいないことから、奏者は、数百年前に作られたものを大事に守って使うのだとか。
 ちなみに斉藤さんのお師匠の笛はなんと豊臣秀吉伝来のものだそうで、もちろん斉藤さんご愛用のこの日の笛も三百年(!)という時を経たお笛。片や久田さんの鼓も、五百年(!!)の時を経て現在に伝わるものだそう。

 そんなことをお聞きすると、日本の音楽とは、ただ耳に心地よく上手に聞かせればいいのではなく、奏者が五百年の時を生きた楽器を守り、五百年前の音そのままを生き返らせて未来に伝え、つなぐことなのかもしれないと、じーーーん。
 いや〜、奥深い。日本人に生まれたことは、みんなこうした伝統を負っているということ。それをならうかならわないか、それはそれぞれの選択っていうことなんでしょうけどね。

 そして、お待たせしました、トークは、歌舞伎講座でおなじみ、京都造形芸術大学の田口章子先生と、私との対談。
 先生とは打ち合わせなしでもいくらでもしゃべれます。コンビ名、あおぞら「みやこ」「ひなこ」なんて、どうでしょう。もちろん、みやこは、京都にお住まいの美しい田口先生。ひなこは私で、この「ひな」は、田舎の「鄙」でオッケーです。いかが?

大阪・天神橋商店街を歩く

 毎週木曜、関西テレビ『スーパーニュース・アンカー』出演のため、大阪の天満には3年ちかくも通っているのですが、なかなか目の前の天神橋商店街に足を伸ばす機会がなくて。
 でも今回、機会を得て、歩いてきました。

 話には聞いていましたが、ほんとに長い! 日本一長い、っていうのはウソじゃありません。
 不肖、私も、播州三木市の繁華街、商店街のど真ん中で生まれて育ちましたから、今なおシャッターを閉ざすことなく生きて繁昌しているこの商店街の元気さには、励まされることかぎりなし。
 うれしいことに、この長さだけに、通りには何軒もの古本屋さんが。ついつい立ち寄っては、2冊3冊、買ってしまうので、3軒目を出る頃にはもう重くて、この先すたすた、歩けましぇーん。

 ってことで休憩。
 昔ながらの喫茶店が何軒も現役なのも商店街ならでは。凝ったインテリアに高級カップ、そして香り高いコーヒーは、かつての「カフエ」(注・カフェではなく、それぞれの音をカ・フ・エと独立させて発音する)を源流とするお店ならでは。

 端まで歩けば文字通り天神「橋」。そう、川がここにありました。
 この橋の上に立てば、北浜、淀屋橋、中之島と、水のみやこ大阪と称される川のうねりが見通せます。
 むろん、道端には、げげっこんなところに、と思わず立ち止まるような、いつか歴史の教科書で聞いたような人の名前を刻んだ史跡が、次々に。
 やっぱり歴史の重さはダントツの大阪なんです。
 橋まで来れば、つい、大阪がんばれ〜、と声に出してしまいそうな青空でした。

また増刷になりました〜 5刷り突入です!!

 ありがとうございます! うれしい知らせが飛び込んできました。
 ネット書店で売り切れが出たりしてお待ちいただくなどご迷惑をおかけしていたようですが、『お家さん』、5回目の増刷が決まりました!
 
 できるだけたくさんの方に長編小説の醍醐味を味わっていただきたい、読書の楽しさを思い出していただきたい、そんな思いをこめて送り出した『お家さん』、着実に、皆様のお心に届けてもらっているようです。書き手として、こんなうれしいことはありません。
 
 でもまだまだこの作品、がんばってくれそうです。今後もどうぞどうぞよろしく見守ってくださいね!!
プロフィール

玉岡かおる

Author:玉岡かおる
兵庫県三木市生まれ。神戸女学院大学卒業。1989年、神戸文学賞受賞作の『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で新潮社より文壇デビュー。2007年11月「お家さん」刊行

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