ひさびさのフェスティバルホール・ライブは韓流

 きょうは友人の友人がライブにさそってくれ、行ってきました、大阪、中之島のフェスティバルホールへ。
 だれのライブか、っていいますと、Kっていう、韓流のミュージシャンです。
 いえ、これ、仮名でもイニシャルでもなく、Kというのが名前なの。ご存じの方はご存じでしょうね。ドラマの挿入歌なんかも彼が歌ってましたし。
 彼の場合は、韓流というより、すでに日本でじゅうぶん活躍してるから、一人の韓国出身ミュージシャンという方がいいかもしれないですね。

 とにかく友人の友人ってのがすっごいファンなんです。
 もちろんファンクラブにも入ってて、取れないだろうと思って下手な鉄砲を数打って応募したころ予想を裏切って全部当選し、私まで誘ってもらった、というしだい。
 ちなみに彼女の席は最前列の1列めで、私たちは、なんと”K”列。いいノリですねえ。

 事前に彼女がCDをくれて、予習たっぷりしていきましたが、これがすっごくよいの。澄んだ声、高い音域、せつなくなる歌詞。
 そう、Kくんは、とっても日本語が上手で、ちゃんとジョークで笑わせてくれるのです。
 もちろん、フェスティバルホールは二階までぎっしり満席。人気があるんだねえ。
 70歳台のおばあちゃんも前方の席で聞きに来ていて、うーん、すてきな音楽はいくつになっても人の心が求めるものなんだわ、と深く納得。
 私も70歳になっても、すてきをみつけにライブに行くぞ〜。
 でも、腰が持たんか。いやはや。

ほたると声なし

 昨夜は、友人のおうちでほたる観賞ツアー。兵庫県多可郡加美町といえば、加古川からでも1時間以上かかる山の地です。
 ここに嫁いで30年ちかく。すっかりここの地の人になった友人が誇るのは、加美町の山と水の美しさ。
 その象徴がほたるです。
 昨夜は雨で、残念ながら乱舞とまではいかなかったけど、それでも源氏ほたるのでっかいともしびが、川原の闇にゆらりゆらりただようさまは幻想的。
 都会に暮らす我々は、童心に返って楽しんだうえ、友人宅のあたたかなもてなしにすっかり時間を忘れ、気がつけば12時。大慌てで帰宅の途に着くほたるツアーでした。

 ところが、騒ぎすぎた自覚もないのに、今朝から声が出ません!!!
 顔面蒼白。
 明日から東京、京都とハードスケジュールだっちゅうに〜。

 しかも今日は、愛犬レディの(ミニチュアダックスの方)へルニアの手術の日。
 這う思いで車を運転、わんこを須磨の病院に届けたものの、ごめん、犬より私が病院行きたい〜。

 それでも家族は、私より犬が心配なようで、テポドンたちはメールでがんがん「手術どうやろ」「レディ大丈夫かなあ」と聞いてくるも、お母さん大丈夫? とはひとこともナシ。
 オッパーにいたっては、帰宅第一声、
「手術、うまいこといったんか」
 と、まず犬で、私、かすかすの声で
「ふまひこと、ひった」
 と必死の返事をすれば
「ふーん」でおしまい。あんた大丈夫か、の声はないんかいっ。
 ああ、主婦なんて、こんなもんですね。
 

注射と薬で乗り切るの巻

 声が出なくなったのは月曜日。金曜、『スーパーニュース・アンカー』本番までには治るやろ、とかまえていたのが、なかなか治らん。
 声、嗄れまくってるから、電話をしたら変質者と間違われるし、会ってうち合わせしても新手のオカマみたいやし。
 東京、京都で仕事だったから、病院には行けないしね。なんてかわいそうな私。

 幸いなのは、お隣が耳鼻咽喉科の先生なので、なんとかしてくださいと無理なお願い。
 実は年に一度はこうなるのよね。
 たしか、前は『天涯の船』を出した後にもこうなって、トークの会をこなすためにこの必殺ワザを使ってもらったんでした。
 そう、クスリと注射……。
 いかにも不健康なヤバさのにじむこの響き。
 その翌日が、たしか時実さんの川柳大学のパーティーで。お招きいただいてたのに声が出ず、出席できません、とかすかすの声で電話をしたらすっごく残念がってくださったことがありましたっけ。

 今回も、38度の熱で顔はりんごみたいに真っ赤でしたが、すご腕のメイクさんの手にかかれば平気の顔に仕上がりだし、あとは、ヤクと注射でおさえて乗り切りましょう。はい、カラダ張ってますがな、わては。

 いやいや、体調管理を怠ったら、こうなるってことですね。じゅうじゅう反省の、声なしでした。
 

初めての針 こわごわ

 リフォームがようやくすんだので少しずつかたづけようと、高い棚から衣装ケースを下ろそうとしたものの、横着にも、踏み台なしに、一気に受け止めようとして……ぺしっ!!
 うわあ、腰で、いやーな音がしたあ〜。
 と思うまもなく激痛とともにその場にころげて倒れましたわい。

 あまりの痛さに起きあがれず、わずかに這ってドアを開け、テポドン�号を呼んだものの、腰痛って、どうしてみんな笑うのよ。
 取ってきてもらった携帯でオッパーに電話したけど、何年か前にヘルニアで緊急入院した経験のある男、私たちその時さんざん笑いましたかねえ。やっと俺の痛みがわかったかと笑いとばし、
「そのままで寝とれ」
 やて。ひえ〜、あんまりな。

 1時間ほど倒れたままの姿勢でじっとしてたものの、床は冷えるし、ほんまにこうしててええんかい? と不安はつのるし。
 テポ�は出かけると言うので、水と食糧だけ床に置いていってもらい、犬だけがうれし珍し、とばかりに私の頭の横で丸くなって寝る始末。
 救急車を呼ぶべきかと友人に相談の電話をかけたら、やっぱり安静しかない、とのこと。
 それならそうで、腰を据えて、もとい、腰をかばって、寝てることに。

 夕方には、なんとかそろりそろりと歩けました。
 でもまだこわいしたよりないしで、オッパーのコルセットを借りて着用。それでも、立ち上がるとき、寝返りをうつ時は慎重を期すわけです。

 そんな私に、友人が「名人」と絶賛する針の先生を教えてくれました。いやあ、針って初めて。
 体に金属突き刺すなんて、ピアスでさえもこわくてできなかったんですよ。
 でも痛さには代えられません。明日は遠出の仕事で、満員電車で立たなきゃならないだろうし。
 悲愴な覚悟で、たのもう、と紋を叩いたのですが、思ったほどは痛くない。先生、今、針、刺さってるんですか? と聞いたほど。

 おかげでなんとか持ち直しました。
 運動不足、横着な性格、これ、すべて腰痛の原因ですわ。気をつけなくっちゃいけませんね。

巨匠と語る

 きょうは大阪で大ヒット上演中の『劇団四季・オペラ座の怪人』の特番が関西ローカルで放映されたんですが、ごらんいただけました?
 不肖わたくし、ナビゲーター役で参加させていただきました!

 オタクの時代、と言われてますが、人間、なにかのめりこむほど好きなものがある、っていうのは強いもんです。私も、舞台を見てきた歳月の長さだけは筋金入り。ミュージカルファンの皆様を代表して、あんなことも、こんなことも、このさいだからいっぱい聞かせていただきました。
 あ〜、オタクでよかった。

 今回は、舞台稽古を覗かせていただきーの、俳優さんにインタビューしーの、ついには劇団の支柱、浅利慶太さんにもお話しを聞かせていただくという、オタク冥利に尽きるお役目。
 とりわけ、四季をここまでにした浅利さんとのお話はひとつひとつが濃度が高く、突き詰めていけば芸術はこうあるのかと、おっしゃることが臓腑にしみいる気がしました。

 中でも新鮮だったのは、脚本を書いた作家の「言葉」をなにより大切にする、という演出家の立ち位置。
 ヒット曲に勝手に歌詞を数行書き加えちゃった演歌歌手もいましたけれど、俳優さん、歌い手さんにとって、演技力や歌のうまさよりも、いかに作家の言葉を観客にちゃんと受け渡すか、ということが作品の出来に直接かかわる重要なことだ、とは、三島由起夫ら超一流の作家と親交の深かった演出家ならではのお話でしょう。

 そういえば15年ほど前、デビューしてまもない私が地元加古川の記念事業でオリジナルミュージカルをやっていただいた時(懐かし〜い。『戦国播磨異聞 ランナウエイ』。見たよ、という読者は、もうかなりの玉岡オタクですな。)、四季出身の佐竹強さんという劇団主宰者に出演していただいたんだけど、彼が、まだ作家として未熟だった私の脚本の言葉をとても大事にして、他の若い出演者にも指導してくれたことがありました。これが四季イズム、浅利イズムだったのですね。 

 さてさて、そうした背景を、知らずに観劇するのと、知って見るのとでは大きな違い。
 日夜、至高の芸術に向けてきびしい研鑽を積むプロ集団の送ってくれる2時間半の夢、たっぷり味わわせていただきましょう!

ハングルで見るライオン・キング

 なんと、劇団四季の『ライオンキング』がソウルでロングランの記録更新中!
 四季ファンで、しかも韓国好き、と条件を兼ね備えた私としては、そりゃ、行って見てこなくちゃならないでしょう。いやはや、ソウルまで追っかけるヒマ人(ほんとは忙しいけど、好きなものは話が別ですもんね)は、私を入れてそうそういるかしら?

 上演されているシャルロッテ劇場(名前もおしゃれじゃありませんか。日本の、何とかセンター、というダサさと比べてもなかなかイケてます。)は、ロッテワールドのすぐお隣。十二年ほど前、初めて韓国に行った時、子供連れでここの遊園地に来て以来です。

 ロッテワールドまでは地下鉄で。韓国の地下鉄って安いんですよね。
 たまたま隣に座ったおばあさんが、昔、国民学校で日本語を習ったとかで、ほんのわずか日本語ができたので、同じくほんのわずかドラマでハングルをおぼえた私と、トンチンカンな会話をしつつも仲良しになり、親切に乗り換えを教えてもらい、ぶじ到着。

 でもそこからが問題ですわ。日本だと、駅のホームからライオンキングのあの黄色いポスターがあって、迷うことなくたどり着けるんですけどね。
 ソウルでは遠慮がちに、劇場のごく周辺だけしかポスターがみつけられないんです。

 当初は日本が文化侵略に来た、なんてイジワルな声もあったそうですが、今やロングラン街道まっしぐらの大人気。作品のすばらしさはすべてのわだかまりを越えて、ただ人々の胸を打つ、ってことでしょう。
 この日は韓国の祝日でもあったので、子供連れでいっぱいでした。
 それに、韓国のお客さんは純粋なのね。キリンや象が出てきたら、もう立ち上がらんばかりに大喜び。クライマックスでは口笛ぴーぴーだし、いやあ、熱いのなんの。

 主役のシンバ役のキムさんは日本でもシンバを勤めたバイリンガル。歌も踊りも、ほんとうにど迫力で、もう一度日本版を見たくなっちゃいました。

 日本で何度も見てるのでハングルのせりふでも全然オッケーでしたけど、……いや、それどころか、韓ドラは韓ドラでも王朝ドラマに慣れてる私は、ラストでシンバが百獣の王になった時、ラフィキから「デー・ワン・マーマー(大王様)」ってひざまずかれるのを聞いて、思わず一人、ウケてしまいました。
 だって、これでペーハーやチョーナー(陛下、殿下)が出てきたら、違うミュージカルになっちゃうところだものね。

 いやいや、いろんな楽しみのあるライオンキング・ソウル公演。
 韓国も日本もない、感動だけが国境を越えて胸の思いをわきたたせる、すばらしい舞台でした。
 

いざソウル

なんて時間のたつのは早いんでしょう。気がつけば6月。
 5月は結局、日記は2〜3日ぐらいしか書けませんでした。とほほ・・。

 ええ、よく仕事してたんです。
 それに、テポドン・リターンズで�号が家にもどってきたため、おうちのリフォームなんぞというのを始めたため、そりゃもうたいへん。
 家じゅうごったがえしです。

 一区切りつけた6月は、おなじみソウル2泊3日の旅へ。
 私にとっては心の温泉ツアー、みたいなもんですから。なんせ去年は3回、行きましたし。これ、自慢してるつもりです、えっへん。

 今回のテーマは、いつもの、癒す+磨く+食う の「す・く・う」作戦に加え、
 � ソウルで上演中の『ライオンキング』(注※ もちろんハングル)を観る!
 � 3年ぶりにソウルの友人と会って食事する
 という2大目標もあって大はりきりです。
 もちろん、買う、というテーマも普遍ですが、これは私、このごろ物欲がとぼしくなちゃってるんで・・。(いったいどうしたことでしょうねえ。でもまたいつかは炸裂し、目に見えるものすべて買いまくる玉岡の”底引き網ショッピング”が復活する日もあるとして・・。

 ではでは、またソウルだより、お届けしますね。
プロフィール

玉岡かおる

Author:玉岡かおる
兵庫県三木市生まれ。神戸女学院大学卒業。1989年、神戸文学賞受賞作の『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で新潮社より文壇デビュー。2007年11月「お家さん」刊行

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