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水の精、オンディーヌに会いに

2007年04月25日 02:21

 東京、四季自由劇場で、『オンディーヌ』を見てきました。

 私としたことが、今まで大阪でも上演されて何度も見るチャンスはあったのに、なぜか見逃していたんです。なので、オンディーヌのために東京泊。だって、終演は21時半だから、新幹線がないんですよね。

 ジロドゥの宝石のような言葉を大切に表現した本格ストレート・プレイ、その言葉の一つ一つがすばらしくて、また、ストーリーの展開がみごとすぎて、なんだかまっすぐホテルに帰るのがもったいなくなってしまい、劇場から東京タワーまで、意味もなく歩いてしまいましたよ。
 増上寺を通過する時は、ちょっとドイツのお話しの余韻がぶつかりあいましたけど、いやはや、お芝居の後の余韻までが美しいお芝居でした。

 だいたい、一目で恋した男を、我が身を賭して愛し抜く水の精の愛が、あまりに幻想的。
 最近、そういう心境からは遠ざかりすぎていませんかぁ?

 でも思うんですよ。オンディーヌがハンスと出逢った時の最初のせりふ、「なんてきれいなひと?!」……これを頭で繰り返すたび、愛なき時代の答えはそこにある、って。

 だって、ハンスは、戦争なき世に、おのれを鍛え高めるためのさすらいの旅に出、森にふみこみ、人生と向き合う男。
 きっとオンディーヌはその勇気と誇りに満ちたその生き方を「きれい」と思ったのでしょう。
 そう、現代に愛が欠けてる理由は、女をそれほど惚れこまさせる「きれいな男」がいないことが問題なんじゃないかしら。
 ・・あはは、男性諸氏方、暴言お許しのほど。でも、「オンディーヌ」を見て、女の愛のありかた、男の愛されかた、考えなおしてみるのは、ちょっと質のいい時間です。
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