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時実さん、さようなら

2007年04月22日 02:21

 3月に亡くなられた川柳作家、時実新子さんをしのぶ会が、時実さんのお気に入りだったホテルニューオータニ神戸で催されました。

 追悼文をあれだけいくつも書いたのに、まだ、私は、お亡くなりになった事実が納得できていなかったみたいです。御主人によるスピーチで、ホスピスに臨まれた最期のありさまをお聞きし、衝撃がやみませんでした。
 先のことは考えない、なんておっしゃりながら、ご自分の持てる情報をもとに、その感性で何でもさきさき見ている方でしたからね。死と向き合っていた時、その脳裏にはきっと津波のごとく死のイメージがを押し寄せていたことでしょう。その数々を思ってみると、壮絶な時間だったことでしょう。今一度だけ、時実さんにお目にかかってお話ししたい、そんな気持ちを隠せません。

 大勢のご友人、お仲間がおありの中、私なんかがたった一人の代表でご挨拶などさせていただきましたこと、本当に恐縮でした。また、皆さんの前に立った瞬間、ただ時実さんとの思い出ばかりがこみあげてきて、お喋りな私としたことが、スピーチらしきものにもなっておらず、申し訳ありませんでした。なにしろ、ただ泣けて、泣けて。

 数え切れない読者の胸に、熱いほむらのような五七五をあれほどたくさん残して去った人。
 時実さんとはご一緒に『モノ書く女の道』という対談集を出しましたが、同じモノ書く女、私も時実さんのように、これだけ多くの心に溶けずに残る言葉を残せるでしょうか。さよならの後に、私たちの明日が始まった気がしています。



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